都会っ子、電波圏外のド田舎に行く!THE青春コメディムービー「WOOD JOB!」

2018年6月23日

あらすじ

大学受験に失敗し彼女にもフラられ、同級生が高校卒業で浮かれる一方どん底気分のダメダメ男子・勇気(ゆうき)。そんな中、ふと目にしたパンフレットの表紙でほほえむ美女。美女に導かれるように行き着いたのは、スマホの電波も届かないド田舎での一年間におよぶ「林業研修プログラム」。美女はここには居ないという事実に絶望し、さらに暴力的で喧嘩腰の怖い先輩ヨキ。林業だって元々興味があったわけでもない、、、、勇気は研修一日目で脱走を試みるのだがそこには意外な出会いが待っていた。やりたい事も夢も特になく、毎日ふわふわ生きてきたであろう勇気が鹿や蛇、虫だらけの神去(かさむり)村とその住民・林業との出会いをキッカケに少しずつ成長していくヒューマンムービー。

2014年-監督:矢口史靖 主演:染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明/ドラマ、コメディ



ぶっちぎり青春コメディムービー

WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~は「スイングガールズ」「ウォーターボーイズ」でおなじみ矢口史靖監督のTHE青春!コメディムービー。

わたしが「部活もの」の映画とアニメが大好きになったキッカケが矢口史靖監督の「スイングガールズ」と「ウォーターボーイズ」。作品を見終えエンドロールをみたときには「ああ、やっぱり矢口作品がわたしには刺さるんだなあ」とあらためて実感。

好きなシーンをあげるとアレもコレもとキリがない。それほど最初から最後まで矢口ワールドに魅了されっぱなしの116分。それでもあえて印象深いシーンを一つだけ選ぶとしたら、怖い先輩ヨキが、村の老害をまえに臆することなく堂々と勇気を認めるシーン。勇気の驚いたような表情も相まって、ハンカチなしでは見られないまさに胸熱展開(実際にDVD鑑賞翌日わたしの目はお岩さん状態)

彼の演じる「彼」から目が離せない

WOOD JOB!には、主人公・勇気(染谷将太)の研修先である「中村林業」従業員・田辺巌役でマキタスポーツが出演している。個人的見解だがマキタスポーツがでているドラマ・映画は「花子とアン」「ドクターX」「アウトレイジ」「闇金ウシジマくん」「本棚書店」そして本作品などなど多数あるが、どれをみてもハズレがない。恐らくこれからもマキタスポーツが出た映画・ドラマはおもしろいだろう。

今作品の中村林業従業員・田辺巌役のマキタスポーツは、セリフは多くなく彼の家族背景なども劇中では描かれてはいない。だが「古くて広い昔ながらの日本家屋に帰宅しまずはひとっ風呂。晩酌は地元の食材をふんだんに使った我が家の味ベストオブザイヤーな家庭料理(まずは小鉢もの2品から)と、姑から嫁へと引き継がれたお新香を酒の肴に夏は冷、冬は熱燗の日本酒を一気に流し込み、豪快にワッハッハと家族と談笑し仕事の疲れをいやす。翌日は愛妻弁当とともにまた山に入る」という、どこにでも居る自分の仕事に誇りを持つふつうのおっさんであり平凡でもあり幸せでもある彼の日常風景が自然に思い浮かぶ。

これは他の作品でも同じで、マキタスポーツが目に飛び込んできた瞬間から彼の演じる「彼」の日常や性格、言いそうな口癖などシーンを重ねる毎に「彼」への理解が深まり、作品がよりリアルなものへと昇華する。それほどわたしのなかでマキタスポーツは「名脇役」の地位をすでに不動のモノにしている。だからマキタスポーツのでているドラマや映画には十中八九ハズレがない。

マキタスポーツ、いい味だしてるっ。

「山の男」に込められた男の信頼

好きな映画はいくら語ってもキリがなく楽しい時間でもあるが、そろそろ締めに入らなければいけない。最初に取り上げた通り「怖い先輩ヨキが勇気をはじめて認めるシーン」がわたしの中で非常に胸熱。

口調が怖くてつっけんどんで自分の考えや意見を持ってる、いわゆる勇気とは真逆の人間であるヨキが、村の年寄りたちが勇気をよそ者扱いし排除しようとするなか、ヨキは堂々と「こいつは皆が思っている以上にちゃんと山の男や」と言い放つ。

老害役と言っては申し訳ないが柄本明さんが非常に憎たらしい発言をする。その発言を受けてのヨキのその下りなので、まさにWOOD JOB!(ウッジョブ) でありGOOD JOB!(グッジョブ)。そのシーンを思い出すだけでも目頭が熱くなる。

(劇中、勇気が村人に「認められるシーン」が何度か出てくる。認められる以上に拒絶されるシーンも出てくるのだが、最後まで見るとそのバランスがほんとに絶妙であり神業である)

「山の男」たちは、毎回が真剣勝負の命がけの現場。信頼できる仲間でないと、「山の男」は務まらない。「こいつは皆が思っている以上にちゃんと山の男や」この一言には勇気に対する深い信頼が込められているのかなあと感じ、より涙が止まらなくなった。

誰もがみな、他人に認めてほしいし、認めてもらえたら嬉しい。

やる気もでるし生きている今に感謝もできる。特に10代20代の若い世代にとって「認めてもらえた」「認めてもらえなかった」それだけで人生が180度大きく変わることも珍しくない。わたし自身もそういった経験を今までたくさんしているし、恐らく読者の方もそういった実体験をお持ちだと思う。

だが悲しいかな、他人を認めること=自分を否定する事のようにとらえる人が多いのも確か。実際には「他人を認める」ことと「自分を否定する」ことは全く別物。人間のいろいろな感情や思いこみがそのような誤解を与えていてなかなか素直に他人を認める事をできない人が多いのかもしれないなーと考えているが、他人の頭のなかはわからないのであまり追求しないようにしている。

わたしはわたしで、自分自身の経験を踏まえ「他人を認める」ことを積極的にしているが、ヨキの胸熱シーンを見て他人を認めるだけでなく、それを相手がわかるように伝えることのほうが大事だと改めて感じた。振り返ってみると、わたしの気持ちが相手にキチンと伝わっていたのか疑わしい点が多々ある。

人間は誰かに認められたら嬉しいし生きる活力にもなる。生きていれば良いことがあるという妄想が確信にかわる。自分もそうだ。自分と同じように他の人だってきっとそうだ。これからは「わたしはあなたを認めている」ことを恥ずかしがらず力みすぎず、言葉や態度で素直に自然に、相手にキチンと伝えられる人間になりたい。

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