漫画「クロサギ」感想。詐欺の最新手口が生々しい…被害に遭わないために心強い自己防衛の一冊
夏原武氏原案/漫画「クロサギ」を読んだ感想メモ。主人公は、職業詐欺師・黒崎。様々な手口の特殊詐欺に騙された被害者が、奪われた金を詐欺師から取り返し被害者に金を返すという異色の詐欺師黒崎。彼の真の目的は…
漫画「クロサギ」感想
夏原武氏原案・作画黒丸氏の漫画で、ドラマ化・映画化もされ話題となった「クロサギ」。
原案の夏原武氏は、オレオレ詐欺、振り込め詐欺などの特殊詐欺の手口に詳しく、テレビコメンテーターをはじめ、闇金ウシジマくんの取材協力も行うお方。
最近のツイッターもこんな感じのつぶやきをしています。
相も変わらず「震災ビジネス」か。まあ、「ビジネス」と言うより「詐欺」ですな。https://t.co/3SpdrEGVhT
— 夏原武 (@t_natsuhara) 2018年6月22日
元々、特殊詐欺が横行し始めた時期に、コメンテーターとしてニュースに出演していた、夏原武氏を知り、そして、「クロサギ」を知りました。
他人事ではない詐欺被害
詐欺に引っかからないようにと用心のつもりで、「クロサギ」を読み始めたわけです。
裏社会とは関わりのない人生でしたので、恐る恐る読み始める。作中に描かれた生々しい詐欺の手口に、恐怖を感じつつも、主人公・黒崎になぜか懐いているネコと隣人の存在に癒やされる。
クロサギは、一応、同時にすすむメインストーリー(わかりやすくいうと、名探偵コナンで言うところの、黒ずくめの組織云々みたいな感じ)がありつつも、一話ずつ自身のペースで読める点がうれしかった。
クロサギとは?
「クロサギ」作中、騙す相手により以下のように区別されている。
- シロサギ=素人を騙す詐欺師
- アカサギ=結婚詐欺師
- アオサギ=企業を騙す詐欺師
主人公黒崎は「クロサギ」=詐欺師を騙す詐欺師。
とある謎を解き明かすため、『詐欺師を騙す詐欺師』となった黒崎は、詐欺に騙された被害者に会い、話を聞き、奪われた金を取り返してあげると約束を取り付ける。
百戦錬磨の詐欺師たちをあの手この手で騙し返し、被害者に奪われたのと同額のお金を返してあげる。
被害者は黒崎に感謝するのだけど、、、、実は、黒崎は詐欺師から、とんでもない額のお金をだまし取っているのだから、クールな黒崎をよそに、読み手であるわたしのほうが、どやっ!っと痛快 笑
作中では、オレオレ詐欺、振り込め詐欺、結婚詐欺など多種多彩な詐欺の手口が生々しく描かれている。知らない世界がそこにあり衝撃的。
表には見せない裏の顔
ダークヒーロー的存在の黒崎。クロサギを読み進めていくと黒崎にも、表と裏の顔があることがわかる。
「良い人」と思い信頼を寄せ接していた人がじつは、よだれをたらしながら騙すスキを伺っている「犯罪者」なのだと、作者は常に、読み手に対して、詐欺師の恐ろしさを、黒崎の姿を通して見せ続けているようにも感じた。
こうやって書いてしまうとどっぷり漬かるとすこし人間不信に陥ってしまいそうな内容なのかな?と思われそうだけど、、、
先にも書いたように、癒やし要素あり。悪者をやっつけた勇者気分を味わえ、さらに、作中繰り広げられる発想の転換に、脳みそのリフレッシュもできる良作。
まとめ
そのへんのヘタな実用書よりも、詐欺対策にかなり役立つ漫画が「クロサギ」。クロサギで詐欺の手口を見ておけば、気づかないうちに詐欺の被害者になっていた…という最悪のケースを回避できる。
ニュースではなかなか知ることのできないが、他人事ではない詐欺被害に合わないよう、クロサギで、最新の詐欺手口も知っておき、自分の身は自分で守りましょう。身近な人(家族や友人など)のピンチにも気づいてあげられるキッカケにもなるかもしれません。
無知は罪。
1巻を読み終えるころには、あなたもきっと、この言葉を痛感する。クロサギはそんな漫画です。